この度,令和3年度救急医療功労者厚生労働大臣表彰という栄えある表彰をいただきました.ご推薦頂いた弘田医師会長・河村県医師会長に厚く厚く御礼申し上げます.また逸早く御祝いをいただいた周東総合病院馬場院長に御礼申し上げます.
医者は誰もが「病気で困っている人を助けてあげなければ」との思いで医者になっています.今回の受賞は,医師として当たり前のことをやってきたことに対して,医師の代表として小生が表彰を受けただけの事であり,自分だけが頂けるような賞ではないことは重々承知しています. 8年前の平成25年に救急医療功労者知事表彰を受賞しその時も恐れ多かったのですが,今回はさらに厚生労働大臣表彰受賞という事で,受賞の喜びに満ちあふれた自慢気の自分と,賞の重みに耐えられそうにない恥ずかしがり屋の自分が,この原稿を書きました.何故に小生が受賞?と不思議でしたが,選考基準に「功績に係る救急医療活動期間が15年以上であり、過去に知事表彰を受けた55歳以上の者」とあり,65歳の自分は,過去に知事表彰を受賞させて頂けたことが大いに関係していたのだと,自分に少々納得させているところです.と書き始めた最中に今朝も,慢性呼吸不全で在宅酸素療法を導入している患者さんから「息が止まりそう.何とかしてくれ」と今にも呼吸が止まりそうな声で緊急電話があり救急搬送入院となりました.幸い挿管するほどでもなくホッとしているところです.このように救急患者は電話窓口での判断で断るべきではなく,実際に早急に対応して判断すべきであり,決してたらい回しにしてはいけないと常に自分に行き聞かせながら診療に当たっています.が,中には夜中の急変患者に電話対応だけで済ませて大変な結果に陥った苦い経験も多々ありました.何歳になっても反省すべきことばかりです.
9月9日に行われる予定であった表彰式は,新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から開催されず,当日に田村憲久厚生労働大臣より祝辞をいただきました.遅れて山口県より11月18日に表彰式を当院で開催していただきました.当日は山口県健康福祉部医療政策課課長の土屋佳彦氏と山口県健康福祉部医療企画班主任主事の福田拓生氏にわざわざご足労いただき,厳かに表彰式が始まり,表彰状と記念品をいただきました.開業当初から支えていただいている長栄事務長が描かれた美しい桜をバックに,医師会のマドンナ松村さんに写真を撮っていただきました.記念品は医学の祖ヒポクラテスの楯でした.そこで改めて「ヒポクラテスの誓い」を読み直しました.医師の職業倫理について書かれた宣誓文であります.前文略・・・以上の誓いを私が全うしこれを犯すことがないならば,すべての人々から永く名声を博し,生活と術のうえでの実りが得られますように.しかし誓いから道を踏み外し偽誓などをすることがあれば,逆の報いをうけますように.心に刻み直しました.
「老いの将に至らんとするを知らず」 孔子は老年になっても,みずみずしく清新な心,日々学ばんとする情熱,物事に対する関心と感激,自己完成への孜々とした努力,のような若々しい精神を終生にわたって持ち続けたと言われます.体力の衰えがあっても気力は失いたくはないものです.医師会の諸氏や今まで一緒に働いていただいたスタッフの方々に感謝の気持ちを忘れず,これからも頑張ります.